しあわせの種
どこかのだれかが
知らないうちに落として行った
しあわせの種は
どこかのだれかが
知らないうちにすくすく育った
しあわせの種が
どこかのだれかを
知らないうちにそうっと
しあわせにしてる
鼻歌
あの子が鼻歌歌ってる
鏡の前で ふんふん ふんふん
あの子の口から
幸せがこぼれる ふんふん ふんふん
そのなんでもない光景は
とてつもなくきらきらとした
かけがえのない素敵な時間
傷
たくさんの傷から
むこうが見える
傷をとおして見えるものは
強くなったわたし
眩しくて光る未来
傷がなければ見えなかった
強くなったわたし
眩しくて光る未来
■
希薄な存在が濃密を求める
もしくは
濃密だというのは思い込みで
実は薄っぺらな
空から降ってくるのは
意味を持たないふわふわとした意志
身の置き所のないあたしは
今日は答えを拾えるだろうか
夜の空気
夜の空気に
そっと溶けてしまいそう
身体にまとわりつく湿気と一緒に
夜の空気になじんでゆく
わたしの実態は現実にあるのか
それさえもあやうく
なにもかもあやうく
ともすれば見失ってしまいそうなほどの
息苦しさとせつなさを持ってる
この夜の空気
ただそれだけ
ただそれだけを願おう
きみが今日も元気でいてくれますように
ただそれだけを願おう
きみに今日は笑顔が訪れますように
ただそれだけを願おう
きみがきみの価値に気がつきますように